« 13 | トップページ | 15 »

14

 一体、どれぐらい……時が過ぎたのだろうか……?

 刑務所(とオレが勝手に呼んでいる)に入ってから、オレはいろんなことをやらされていた。
 此処にに戻ってきたとき、オレは死なない程度に叩きのめされた。
 オレは、頭が良くないので、体で覚えさせる作戦か……?

 防御法……柔道の授業で受身をやったりはしたが、実戦練習なんかしたことが無い。まともにぶつかってくるから、生傷が絶えなかった。体の骨を締めて鍛えなおすのだそうだ。
 
 毎日、意識が飛ぶほど相手をさせられて……気が付いたら朝で……の繰り返しだった。

 それがもう、随分続いている。

 何十人かの修行者たちが、それぞれに自分の課題を練習している。緊張がたえない。
 そんな異様な風景の中に、オレは入れられてしまった。

 ハジキも刀も何も無い……『気』のぶつかりあいだ。
 拳ひとつがすべての世界なんだ ……ここは。

何の為にここまでやらなければならないのか、さっぱり分からない……。

 郷に入れば郷に従え……か。
 素人のオレでも、実戦を積めば何とかなるものだ。
 素質は持っていたのか……1対1……サシでなら、何とか相手の動きが分かるようになってきた。

 そうなると事は早かった。これは、悟りを開いたというのだろうか……?

 修行場での長い瞑想と気の練り方の練習。
 繰り返すごとに、何かがあふれて来るのが分かる。
 何なんだろう……? この感覚は一体……?
 
 「……オレを、傭兵にでもするつもりか? 」
 終わってから、傍らで様子を見ていた男(オレを監視でもしていたのか)バールに話しかけた。

 別に、こいつと仲がよくなったとかどうとかではない。単に話し相手が彼しかいなかっただけ……そういうことだ。

「傭兵に出来るほど、モノになるのでしょうかね 」
奴は、相変らず、さらっとイヤミを返してきた。

 今まで「馬鹿」なりに生活してきたオレだが、ここに来て随分言葉を覚えた。
……ってゆうか、そうしないと生きてゆけないことを、ここの生活で思い知らされたからだ。

「そろそろ……表に出す準備を始めようかと思うのですが。」
バールが意味ありげな言葉を他の奴らに話している。

一体何をしようというのだろう?
オレは、どうなっていくのか?
突き詰めてゆくと、頭がおかしくなりそうだ。
……このまま、奴らに従い続けるしかないのだろうか……。

|

« 13 | トップページ | 15 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1098429/26234831

この記事へのトラックバック一覧です: 14:

« 13 | トップページ | 15 »